
自然と共存する
復旧への道のり:自然と共に歩む椎葉村・耳川の河川工事
椎葉村の皆さま、そしてこのブログを訪れてくださった皆さま、こんにちは!
ここは、宮崎県椎葉村の尾前地区を流れる「耳川」です。深い山々に囲まれたこの清流は、その風光明媚な景観で知られ、シーズンにはヤマメ釣り等の観光客でにぎわう、地域にとってかけがえのない宝です。
近年、度重なる豪雨災害により、この美しい耳川も大きな被害を受けました。私たちは今、地域の安全を守り、清流を次世代に引き継ぐための河川災害復旧工事に取り組んでいます。
本日はその河川災害復旧工事について紹介いたします。
Ⅰ. 清流と緑の調和:現場に残る豊かな自然環境
動画では現場の豊かな自然環境が広がっています。
工事が行われているにも関わらず、耳川の水は自然を潤し、周囲には濃い緑が茂っています。岩石や資材を積み上げ川の流れをかえ、作業を進めるショベルカーが動く様子が見れますが、その背景には悠然とした渓谷美が広がっています。
この工事は、単に川を「元通りにする」だけでなく、この美しい自然環境をいかに守りながら安全を確保するかという、自然との共存を目指した取り組みでもあります。私たちは、この清流が育む動植物の生態系に配慮し、慎重に作業を進めています。
Ⅱ. 地域を守る復旧工事:被災した護岸の復旧
続いての動画は、復旧状況の様子です。
一部の区間では、すでに強固なコンクリート護岸を施しています。これは、豪雨による崩落から地域住民の生活道路や土地を守るための重要な構造物です。また、動画には、激しい水流のそばで工事の安全確保のために設置された資材や仮設物も確認できます。
川沿いの道路には、安全周知看板を設置し地元の皆さまにご不便をおかけしながらも、安全で着実な復旧を目指して日々作業に取り組んでいます。
Ⅲ. 自然の厳しさとの対峙:増水時の危機感
しかし、自然を相手にする工事には、常に「厳しさ」が伴います。
動画は、それを如実に示しています。激しく増水し茶色く濁った耳川の様子が映し出されています。濁流の勢いはすさまじく復旧途中のコンクリート護岸をも飲み込もうとするかのようです。
ひとたび豪雨に見舞われれば、それまで人間が積み上げてきた構造物さえも、水の力の前では無力になる可能性があります。この映像は、作業員が常に自然の脅威と隣り合わせで作業を行っている現実を物語っています。(※後日調査の結果、復旧途中のコンクリート護岸には影響ありませんでした。)
自然と共存し、自然と相談する工事
河川の災害復旧工事は、私たちの生活の安全を守るために不可欠です。しかし、この椎葉村の耳川での作業を通じて痛感するのは、自然を相手にする工事は、人間の勝手な都合や計画だけでは進まないということです。
増水時には迷わず作業を中断し、川の流れが落ち着くのを待つ。それは、自然の力に**敬意を払い、謙虚に「自然と相談」**している瞬間です。
単に護岸を修復するだけでなく、この豊かな自然と共存し、その力を理解した上で、今後も安全で持続可能な形で工事を進めてまいります。