2025年11月28日

神楽の舞台を彩る「えりもの(彫り物)」について
みなさん、こんにちは。
突然ですが、みなさんは神楽の舞台を彩る「えりもの(彫り物)」について、ご存じでしょうか?
11月に入り、高千穂町ではいよいよ夜神楽の季節が始まりました。高千穂の夜神楽 | 高千穂町観光協会【公式】 宮崎県 高千穂の観光・宿泊・イベント情報
そんな夜神楽の舞台をそっと引き立てる、美しい紙飾りがあることをご存じでしょうか。それが「えりもの(彫り物)」と呼ばれる伝統の切り絵です。
夜神楽が奉納される神庭(こうにわ)は“高天原”を象徴すると言われており、その四辺を彩るえりものは、舞台を清め、神聖さを際立たせる大切な役割を担っています。
切り抜かれる模様には、陰陽や十二支、五行などの古くからの自然観や祈りが込められています。繊細な模様には「五穀豊穣」や「季節のめぐり」への願いが宿っており、まさに地域の信仰と美意識を映し出す存在です。
最近では観光案内所などで、実際にえりもの作りを体験できる機会もあります。
私も先日、地域のお祭りに参加し「えりもの」づくりを体験させて頂きました。和紙を手に取り、ひとつひとつの線を丁寧に切り抜いていくと、この飾りに込められた思いが自然と伝わってきます。

高千穂を訪れる際には、ぜひ神楽の舞台を縁取る「えりもの」にも目を向けてみてください。静かに飾られた一枚一枚が、この地に息づく祈りの文化をそっと語りかけてくれます。
これからますます寒くなりますので、皆さまも体調管理に気を付けてお過ごしください。


